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「ほぼ日」10周年

コピーライター糸井重里氏が主宰する「ほぼ日刊イトイ新聞」が10周年を迎えました。「ほぼ日」10周年を迎えてのごあいさつでは「ここから先の10年も、たのしみになってきました。」と嬉しい宣言が。「ほぼ」といいつつこの10年1日たりとも更新を欠かしていないのは、毎月休刊日がある大新聞よりもよっぽどマメかもしれません。とにかく10周年おめでとうございます。

10年振り返ってみて、案外他には10年続いているニューメディアがない事に気づきます。新しいサービスはたくさん出来ては消え、消えては出来。そんな中スゴいシステムは使っていませんし、自動でコメントもTBも受け付けないし。でもちゃんと読者とは交流していて、編集部でおもろいものだけをぼつぼつと更新していく。地味に見えて非常に洗練された編集システムですよね。コンテンツビジネスだ、パーソナライズだ、行動ターゲティングだ、とメディア業界は技術論に浮ついていますが、それはコンテンツをいかに整理し抽出するかを論じているに過ぎません。ありものをニュースとして扱うメディアは、コンテンツを作る事を忘れかけ、コンテンツを作る人を軽んじているとは言い過ぎでしょうか。

メディアに基本必要な事は良質なコンテンツを作り、必要十分量を見やすいカタチで提供すること、その編集力だと思います。ブログが普及し、市民記者構想が叫ばれた数年前ですが、書ける人、書きたい人が書いただけで、正直盛り上がっているとは言いづらいのが現実です。スゴい人を自分の目で発掘し、その人にコンテンツづくりから人をサポートしていくほぼ日スタイルは、出版編集者のそれと全く変わりません。情報量は10年で数百倍になった今日、企画もコンテンツも「イトイさんのお薦め」で「イトイさんがポータル」。誰もそれで10年困ってない、むしろ喜んでいるところに、もっともっとメディア業界は注目していいんじゃないでしょうか。

追記:おめでとうメッセを送ったら糸井さんからお返事(ccですが)が来ましたよ。続くか続かないかって、そんなちょっとした気遣いなんでしょう。
by nekotekikaku | 2008-06-07 20:36 | @新聞屋
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