HD DVD敗北
佐賀新聞東芝、半導体事業に傾斜/次世代DVD撤退で
東芝、HD DVD撤退も/HD DVD規格の商品

ワーナーが加速させ、ウォルマートが引導を渡した次世代DVD覇権争い。結局損をしたのはまたも消費者でした、というのが一般的な報道の口調ですが、規格を世に生み出してしまったばかりに一番困るのは実は身近な小売店ではないかという話。

その昔佐賀の中央通りに小さなソニーショップがありました。
折しもハイビジョンハンディカムが出たての頃、たまたま飲んだ帰りで朝方ふらっと入った事がありました。顔を洗わせてもらいに店の裏に行くと、まだしっかり動くベータやオープンデッキが数十台もあります。おっちゃん曰く「メーカーは製品を作るだけだが、小売りはお客さんに商品を売った責任があるから、最後までお客さんをサポートする義務がある」と。「昔の8ミリが見つかったので、ベータにダビングしてくれ」とか、「そのベータが壊れたのでDVDに」とか、メーカーの都合で規格に振り回されるお客さんのサポートを、損得なしでやっていました。あまりに目に余る時にはソニー本社に乗り込んでいって役員に文句を言ったりもしたのだとか。その顧客本意の徹底ぶりに感心するやら、頭が下がるやら。

そんな小さくもまじめな小売り店は時代の流れとともに数年前に店を畳み、「賢い」消費者は大型電気店でチラシをぶつけあい、新製品を原価ギリギリで買う事に血道を上げます。でもそれが本当に安心できる生活なんでしょうか。解像度と容量は規格とともにますます上がりますが、ある日それが使えなくなり、そこで文化や思い出が途切れてしまうことに何の保証もない。もっとキレイにもっと便利にもっと安く。限度を超えた競争は互換性や耐久性などの見えない部分のマージンをを削っていきます。その狭間に中小の小売店が汗水を流してサポートする図が浮かびます。メーカー、小売り、消費者が幸せに生活できるラインとはどこなんでしょう。

食品の偽装・混入問題も、元を正せば度を超えたコスト管理が生んだひずみが原因でしょう。それを突き上げた消費者にも責任があります。一方でフェアトレード製品も、数年前には考えられないくらいの充実ぶり。幸せをシェアする動きは加速しています。そろそろみんなで知恵を絞って、ゆっくり社会が回る工夫をしたいものですね。
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by nekotekikaku | 2008-02-19 06:26 | @新聞屋
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