「千の風−」が100万枚、に思う
佐賀新聞「千の風−」が100万枚/秋川さん、クラシック系初 

別に悪くはないニュースです。ただあまりに終戦記念日に合わせたような日取りや、誰彼なしに賞賛する盛り上がりに違和感を感じます。この原詩は9.11の追悼式で朗読され話題になったものだとか。その後のアメリカの盛り上がりと虚構まみれの報復劇をつい重ね見てしまいます。

映画、音楽、絵画...芸術は人の心を直接動かす故に、必ず戦争に利用されてきました。なんだか最近太平洋戦争を題材にした映画や漫画って多くない? 軍服が妙に格好良さげに描かれていない? 人が死ぬ事に最近ちょっと感動していない? 戦争をモチーフに大衆を悲劇の主人公に仕立てることでささやかな満足感と責任転嫁による安堵を引き出し、現実の行き詰まった状況から目を背けさせる。そして戦争を知らない世代へ戦争のブランドイメージを徐々に高めていく。無意識のうちに享受させられている情報の意味に、もう少し敏感になりたいものです。

「人間」を「敵」という人間以外のモノとみなす意図的なすり替えを断じて許してはいけません。戦争はどんな大義があろうと誰かの親殺し、子殺しであり、それに少しでも加担する限り殺人ほう助です。戦争の悲劇をあたかも時代のせいや立場のせいにしますが、渋々なりに容認する雰囲気を作った市民の責任は極めて大きい。日本は欧米列強の悪しき『模倣者』であってはいけない。感傷に浸るのではなく、自分が殺人鬼にならないための終戦記念日に。
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by nekotekikaku | 2007-08-15 02:25 | @新聞屋
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