道新の記者ブログが止まっている
b0020765_22104827.jpg北海道新聞(道新)が主宰するブログポータル道新ブログですが、その中の記者ブログである「メディアの節穴」が5月18日の『教員免許更新制は「いい先生」を子どもから奪う【ニュース斜め読み】』というエントリ以降更新が止まっている。うちのスタッフブログと違い(^^;)3日と開かずに更新されてきただけに、何らかの圧力がかかったのではないかと注目している。

というのもこのブログ、書いているのは北海道新聞で報道畑を渡り歩いてきた元記者で現メディア局勤務の社員。道新といえば道警裏金問題報道で綿密な取材が評価されている一方、社内調整のため(?)「泳がせ捜査」でお詫び記事を出すなど、対応にちぐはぐさが目立つのでも有名。その中でこの4月に立ち上がったこの「メディアの節穴」は同時に立ち上がったスタッフブログとは比べるべくも無く、政治からグルメまで硬軟取り交ぜた内容は読み応えがあり、JASRACの話題では合わせて66のコメントが付き、はてなブックマークに至っては433人が登録するなど、新聞社のブログでは異例とも言える反響を呼んでいた。

ところが突然の更新停止。最後の更新となった『教員免許更新制は「いい先生」を子どもから奪う【ニュース斜め読み】』というエントリには「ある組織」という表現で組織論を展開させていた。見れば裏金という記述から道警のことではないかと推測できるのだが、基本的には本筋とは関係がない部分であり、一つの例として挙げられたにすぎない。事実コメントもこの記事には3件しかついておらず、内容自体に読者が食いついたり、疑問を呈したりしている訳ではなさそうだ。しかしその直後の更新停止に、何らかの関連性を疑う可能性は否定できない。直接的に道警からの圧力があったとは考えにくいが、編集局からの自重しろ的な自己保身はそこはかとなく見え隠れする。しかも当時編集局にいた元記者の記述なだけに、折角記者と幹部を処分し手打ちにした件での蒸し返しを嫌う、編集局の道警への特別な「配慮」と見なすのが適切ではなかろうか。もしそうであるならば、それは報道機関としての2度目の「自殺」であり、ジャーナリズムを標榜する資格を自らお上に返納するかの愚行だと言わざるを得ない。

新聞は情報の最先端ではなくなったのかもしれないが、情報過多の時代に於いてはより一層社会の規範であるべきだ。それは私個人の意見だけではなく、むしろ最近話を聞くことが多くなったIT関連の方々のほうがそのことを強く願っていると感じられる。そのために新聞に必要なことは、社会に役立つ情報を提供するための中立性と専門性。自社の利益より社会への公益性のある紙面作り(紙には限らないが)。私たち営業や販売現場は社会に役立つものを作っている、それを支えているという自負があるからこそモチベーションも上がるものだ。記者が書くべきものを書かなくなり、自社擁護のために言説を曲げ、そこの読者との信頼が揺らいだときに、新聞に社会的な存在意義がなくなる以前に、部数減それによる広告減によりまず収益が崩壊していくだろう。

さて、この「メディアの節穴」は今後どう対応するのだろう。いままでの流れで行くならばそのままブログの存在を消去し、道新の節穴としてネットでもジャーナリズム穴あき状態をつくるつもりではないだろうか。できればこのままのスタンスで再開し、アナーキーな存在であってほしいと願うのは私だけだろうか。それが出来る度量があるか、北海道新聞が試されている。

追記:本当に6月末で終了してしまう事になったようだ。それについてエントリしてみました。
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by nekotekikaku | 2007-06-04 06:04 | @新聞屋
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