まるいち的風景
b0020765_20205317.jpgAmazon.co.jp: まるいち的風景 : 柳原 望

行動トレースロボット「まるいち」が繋ぐ人間模様を描いた少女マンガで、ロボット研究界での行動指標とされているのでも有名な作品。1995年から連載開始ですが、古さを感じさせないそのIT化社会への先見性と現在でも根強いファンが居るため、昨夏描き下ろしを加えて文庫本で再販されたものです。

まるいちは人間のする事を真似るだけのロボットですが、どんな行動でも真似られてしまうため、利用者の意思次第でそこに犯罪やテクノストレスなどの可能性が秘められています。その一方で、まるいちを通じて今まで見えなかった人と人の関係性が可視化され、登場人物たちは新しいコミュニケーションの形を模索していきます。技術を拒絶する事も出来るはず。電話も昔はそうでしたが、もう今では電話なしの生活は考えられないように、技術で得るものと失うものもある、それに気づきうまく折り合いをつけながら次の時代に進んでいく。そうした事を私たちはずっと続けていくのでしょう。「まるいち」を「インターネット」と置き換えると、今の時代で分かりやすいかも知れませんね。技術が社会へとけ込むヒントがここにあります。

そんな重めのテーマを、煮え切らない技術者2人の軽やかなラブコメで包んであり、非常に読みやすいのが特徴。装丁もすっきりし少女マンガが苦手、という人も気軽に楽しめます。是非是非この夏休みに、このブログにやってくるメディア関係者、広告関係者、そして学生のみなさんに読んでほしい一冊です。
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by nekotekikaku | 2009-08-11 20:38 | @デザイン屋
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